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2005/03/14

リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」

今年読了した本21冊目、
リチャード・ドーキンス著
「利己的な遺伝子」。
「増補改題『生物=生存機械論』」と
副題が付いております。

…読書スピードはトップギアだったはずなのに、
読むのに10日以上もかかってしまった。

えっと、言葉は平易ですが、
内容はそれなりに難解です。と思う。
つーか読み飛ばせません。

読み飛ばすと本論を見失ったり、
「遺伝子プール」の表す意味とか、
例として引用されている動物その他の生態の
「戦略」とか「利得」とか「出資」などのことばで表されてる事柄が
何であるかというものを見失います。
じっくり読まないとあきまへん。
(それともそんな固い頭はおいらだけですか?)

だれてきたら例によって音読で乗り切ったのですが
(まだやっとったんかお前)、
400ページ超のもと論文を
(一般書籍にした時点でかなり平易にしたとはいえ)
音読するのは辛すぎます。口が攣りました(苦笑)。

え~、でも内容は面白いです。
ブルーバックススキーは読め。
読めばあなたも気分は天才。
(実際にニューヨークタイムスがそう宣伝したそうな)

ちょっとここに内容を要約してのせることは
できないので(そうよ、能力の問題よっ!)、
感想を垂れ流してお茶を濁すことにします。w

本来的には難解な、ドーキンスによる「遺伝子淘汰」の理論を、
とりあえず一般人にもわかったような気にさせるように書いてあります。
(この辺描き方が微妙なのは、
私にしてもわかったような気になったけど、
「こういう内容よ」と要約できないという
深刻なわかってなさが明らかになっているためですね。
気楽なブログで本当によかった。
評論家だったらもういっぺん読み込まないと。)

比較されるのは、古き良きダーウィニズムとしての
「自然淘汰」とかそこから発展してきた「群淘汰」の考え方。
「自分が(または自分の属する種とか群れとかが)生き残る」ためには
矛盾のある生物の利他的行動を、
「遺伝子が自分のコピーをより多く遺伝子プール内に残すため」という
その一点に集約させるべく論を説いていきます。

母鳥の偽傷行動。

大量の固体が存在する蟻の巣の中で、繁殖する個体が1匹しかいない事実。

郭公の託卵。

交尾中に雌に食べられてしまう雄カマキリ。

引用されているさまざまな生き物の生態が、
理解の助けになり、本論に豊かなイメージを提供してくれます。
…が、もちろん「世界トンデモ動物物語」として、
単に個々のケースが雑学として面白いです。
もうね、「掃除魚の真似をするずるっこい魚がいるって知ってた?」とか
「蟻の巣の中に侵入して、蟻をコントロールしてる芋虫がいるって知ってた?」とか、
「受精すると雌になって、受精しない(つまり染色体数は二分の一)と雄になる
胚発生のシステムがあるって知ってた?(あ、でもこれ生物の教科書で見た気もする…)」とか、
吹聴したい世界びっくり生物大会ですよ!

また、数学的な複雑な計算式を、
全面的に省いたのは、一般書としては正解かなあ。
(でも、内容を咀嚼する際に数学的なセンスが必要な気が
ほんのりするんですが気のせいですか?)
「囚人のジレンマ」ゲーム理論とか、
コンピュータ・ウィルスを最初っから連想させる「ミーム」に関する言及も
非常に興味深く読むことができました。

…実はこの本、1991年刊。
んで、たしか10年くらい前に読み始めたんだけど、
仕事が忙しくなって3章くらいでやめちゃって、
今回再挑戦。

   大・後・悔!!

その続きがどんどん面白くなってくるんでやんの。
8章「世代間の争い」
(子育ての力の入れ方の不均衡とか兄弟間の生存競争とか)
9章「雄と雌の争い」
(このへんドラマ仕立てのシチュエーションとかを
想像しながら読むとかなり笑えます。遺伝子トレンディドラマ!)
あたりがとてつもなく面白いっす。
13章「遺伝子の長い腕」は、
「体の外まで遺伝子が影響を及ぼすことができる」という内容なんだけど、
なかなか目からうろこが落ちる感じでした。
(ここのブログに来てくださってるお客さん、
あなたは私の遺伝子に操作されてるですよ!)

え~、内容にあまり触れない感想を垂れ流すのはこのくらいにして、
(とはいえ、私がこの本で楽しんだ事実くらいは伝わった?)
おなじみおすすめダイレクション。
数学が各種学問の牽引役になってることを実感したい人におすすめ★★。
ブルーバックススキーにはおすすめ★★★。
生物学に抵抗のない動物スキーで蘊蓄スキーは読んで損なし★★★★。

…続きの「延長された表現系」も読む意欲満々ですよ!
(でもさすがにじっくり読書はエネルギーがいるから、
次は軽い本を読もうっと。←ヘタレ)

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コメント

薀蓄スキー参上。

いや、むしろ、種の保存の観点からはNOIRAさんの遺伝子に操作されているというよりは、模倣子に操作されている方に一票。

対抗して遺伝子関係のライトな絵本の推薦本。(負けず嫌いでッス、フフッ)

「テロメアの帽子」
http://www.1101.com/morikawa/index_teromea.html

変な虫の戦略薀蓄ならこちらもどうぞ。

「ヌカカの結婚ー虫たちの不思議な性戦略」
http://www.1101.com/morikawa/

投稿: yag | 2005/03/15 01:34

ブルーバックススキー参上

「テロメアの帽子」は「仮面ライダー剣」の放映時に見ました。
ハードな読書はスルーすることにしてまつ。(爆)

投稿: まいと | 2005/03/15 03:07

蘊蓄スキーのyag様、
推薦返しありがとう。
これも「ほぼ日」の記事ですね。
出入りの本屋さんに注文すべく、
メモとって職場の机においてあるのさ。
ふふふ。


ブルーバックススキーのまいと様
…しまった!本もってるの?
あるなら貸してくれえ(笑)

投稿: NOIRA | 2005/03/15 20:04

持って無いッスよ。「仮面ライダー剣」でテロメアの融合係数云々というやりとりがあったので、ググったらHitしたサイトを「見た」だけですがなにかw

投稿: まいと | 2005/03/15 22:40

むむ、残念。やはり買うしかないのか。


yagさん、
レスしそびれましたが、
確かに影響してるのは
遺伝子じゃなくて
模倣子(ミーム)のほうでつね


…やっぱわかってないおいら…  orz

投稿: NOIRA | 2005/03/15 22:50

遺伝学や進化がらみの蘊蓄が好きな方で、もっと軽めな本が読みたい方にお薦め。
「クジャクの雄はなぜ美しい?」
 著:長谷川真理子
 
 female choice,つまり雌による雄選別をテーマにした本です。

投稿: F2 | 2005/03/16 20:06

F2さま、thxです~。


…どんどん必読書が増えていくのは
嬉しくもあり、
財布が不安でもあり(苦笑)。

投稿: NOIRA | 2005/03/16 20:43

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